名古屋地方裁判所 昭和25年(わ)307号 決定 1988年11月16日
主文
本件公訴を棄却する。
理由
一 一件記録に徴し、検察官が昭和六三年一一月一日本件公訴を取り消したことは明らかである。付言すると、右記録によると、本件は、昭和二四年三月一七日津地方裁判所に公訴(別紙起訴状写参照)が提起され、同年一二月二八日同裁判所で懲役一〇月・三年間刑執行猶予の判決があったところ、これに対し被告人が控訴の申立をし、昭和二五年七月四日名古屋高等裁判所において「原判決を破棄する。本件を名古屋地方裁判所に移送する。」との判決があって、再び当審に係属するに至った経緯が認められるけれども、検察官による前記の公訴取消は、右破棄移送の判決の確定によりすでに訴訟法的には第一審判決がない状態で、すなわち、刑訴法二五七条にいう「第一審の判決があるまで」になしたものというを妨げない。
二 よって、刑訴法三三九条一項三号により主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 鈴木之夫 裁判官 澤田経夫 村木保裕)
<以下省略>